クラブ・クラス会だより

青春に戻り、歓談

―― 昭和45年卒業生を中心に ――     

黄昏同窓会幹事  熊谷 信哉

【6クラス横断的に呼びかけ】

店に一歩、足を踏み入れた途端、あの熱かった青春時代が目の前に広がった。タイムトンネルをくぐり、一気に40年以上を遡ったのだ。「えーと、どなたでしたっけ」「あら、〇〇さんじゃあないの。昔の雰囲気が残っているわ」。各自が胸にかけた名札と見比べながら遠い記憶を探る人も。猛暑も少し和らいできた8月28日、昭和45年卒業者を中心とした「黄昏同窓会」をJR三ノ宮駅近くのおしゃれなイタリア料理店「イル・カピターノ・ニシオカ」で開催。男性8人、女性6人の計14人が参加した。6クラス全部に横断的に呼びかけて開くのは極めて珍しいが、卒業後の永い空白を吹き飛ばすように、話の輪が広がった。


おしゃべりも食事も真剣。「ああ、忙しい」。


【こだわった会の名称】

そもそも会の開催自体が「瓢箪から駒」。EBクラスの友人だった八木通夫君と三宮の居酒屋で久闊を叙したことに始まる。酒を酌み交わすうち、話は自然、「あのころ」にも及び、気がつくと「一度、同窓会を開いてみよう」。

結果的に幹事になった2人がこだわったのが会の名称。学生運動世代なので、「理念」をクリアしないと前に進めない。メールでのやり取りも頻繁にこなし、結局、「黄昏同窓会」とすることに落ち着いた。弘兼憲史の漫画『黄昏流星群』にヒントを得た。

人生の黄昏にかかった人間が、さまざまな過去と向き合い、何かしら新しい生き方を見つけていくようなストーリー。少し自虐的ではあり、ハッピーエンドではないケースもあるけれど…。同窓会の席では「この黄昏という名前が気に入って出席を決めた」という方から積極的なアピールが飛び出し、幹事とエールの交換。「会の名称が自分の思いと違う」と、全く逆の理由で欠席された方もいるのも事実。これが学生運動世代の面白いところだろう。

ある6歳年上の先輩は「俺たちの年齢になると、その名前では、どぎつ過ぎて、とてもとても…」と言っておられた。会がこのまま存続していったら、将来、名称が変わるケースも?


【近況欄の3大キーワードとは】

海外も含め、呼びかけ状を発送した後、出欠の返事が続々と舞い込んだ。近況欄で目立ったキーワードのベストスリーは「仕事、介護、勉強」。

還暦から5年たった65歳という区切りの年齢。現役の間は仕事の関係、社会的地位などで、さまざまなしがらみが生じ、いろいろなこともあったと思うが、「高齢者の仲間入り」をした、ということは、これまでの人生を余裕をもって振り返れるほどの永〜い時間が経ってしまった、ということかも知れない(「そんなにゆったりも出来ない」と言う声も依然、強いが…)。


【元気な女性陣】

今回の同窓会で特記すべきは女性陣の活発さ。女性が元気なのは五輪に限ったことではなさそうだ。「遠方の方は恐らく無理だろう」と考えつつ「それでも、こういう会を開く、ということは知らせておきたい」と案内状を出したが、何と女性のうちの一人は四国から、もう一人は岐阜から駆けつけてくれた。呼びかけが刺激となって女性同士のネットワークも活性化、案内漏れの方からの問い合わせもあった。

同窓会当日。翻訳・通訳の仕事の合い間を縫って参加してくれた方や、ロシア映画の紹介を続ける傍ら、大学で現代の若者に教える難しさを披露してくれた方もおられた。マドンナ勢揃いで会場は華やかな雰囲気に。こんな中で、青春時代を思い出して、ときめいた男性がいたとか、いなかったとか…。

二次会は近くの喫茶店でおしゃべり続行。夕刻になり解散したが、このうち女性4人が残って、さっそく"ミニ女子会"。

これに参加した田村(旧姓・平尾)裕子さんからコメントが寄せられた。黄昏同窓会に来られた方たちの気持ちを代弁してくれており、"三次会"の一端も垣間見えるので、ご紹介しよう。


「花の盛り(?)に大学を後にした私たちは、なんと43年ぶりの再会でした。もう誰が誰やら…。これをいみじくも黄昏(誰そ、彼れ)というんだね。

思えば1970年卒業の私たちの学生生活は激動の真っただ中でした。主義主張を貫いた者も、挫折した者も、なにがしかの胸の痛みを抱えて大学を後にしたのです。

卒業以来一度も会っていなかった友人が『あなたに会いたかった』と言ってくれた時は胸が詰まりました。私は大学と大学の友人たちを切り捨てるようにして神戸を離れ、うかうかと年月を過ごしてきたのです。

それでも若い日のあの思い出は、小さな灯火として胸の中に残っていました。やがて昔の顔と今の顔がダブッて一致するようになると、昔を思い出してどんどん話が弾み、親しかった女友達とは二次会の後も居残って話し続けました。話は尽きず、別れがたく、次は女子会も(いくつになっても女子なのです!)開いてみたいね、ということになりました。

同じ教室で、同じように青春のひと時を過ごしたのに、卒業したとたん、それぞれの人生があり、みな、さまざまな試練をくぐってきたのです。

友人たちよ、幸せであれ、元気にまた会おうね、と祈らずにいられません。

そして最後になりましたが、幹事のお二方、本当にありがとうございました。

『楽しかったよ』と言いながらも、何しろ初めての立ち上げです、さぞご苦労があったことと思います。

エネルギッシュな実務家熊谷さんと意外な取り合わせ、飄々と人生を自然体で歩いてこられた(かに見える)八木さん、またこれからもよろしくお願いいたします」。


「女子会と聴いて覗けば六十代」(第一生命の第25回サラリーマン川柳コンクールのベスト10から引用)。「欠席者を中心に男子会もやろう」との声も出ており、実現の方向だ。黄昏同窓会開催の波紋は少しずつ広がっている。


【来年も開くことに】

一次会もたけなわになった時、「こうした会合を今後も続けるのか、今回が『最初で最後』になるのか」という声なき声が聞こえてきた。「それではオリンピックの年ごとの開催では?」との幹事提案は「ノー。それでは間隔が長すぎる」と即座に却下された。結論は幹事に対して「来年も開催せよ」。

幹事を引き受けるのは決して苦役でも重荷でもない。ただ万年幹事という訳にはいかないので、しかるべき後継者を"養成"して、緩やかにバトンタッチしていこうと幹事2人で話し合っている。

手探りで始めた今回の黄昏同窓会だったが、むしろ努力が形になって、跳ね返ってくるし、人の輪も広がる。実務を処理するのは楽しみですらあった。「ぜひ会ってみたい」と手紙を出した中から少なからぬ方が、こちらの気持ちを理解し、万障繰り合わせて駆けつけてくれ、幹事冥利に尽きた。


【幹事から一言おわび】

今回の黄昏同窓会の案内には同窓会本部の名簿を利用させていただいた。基本的には大阪万博のあった1970(昭和45)年卒業者、一部は留年などで1971(昭和46)年卒業者の中からピックアップした。2人の幹事が「あいつに会ってみたい」「あの女性は一体、どうしているんだろう」と"気になる"方を中心に独断と偏見で選び出した。「俺には(私には)何の連絡もなかった」とお怒りの方も多数おられることだろうが、どうか、ご容赦いただきたい。


【名簿に登載があれば、人間関係の再発見も】

同窓会本部の名簿にはかなりの空欄が目立つ。今回の呼びかけ状発送で、このうち相当数が判明した。中には何と既に鬼籍に入られた方もおられ、愕然とした。一時は、これらの最新情報を同窓会本部に連絡し、より充実した名簿づくりに協力しようかとも考えたが、踏み留まった。個人情報の大切さが法律でも決められているご時勢である。

名簿に登載がないのは、ご本人の固い意思によるものかも知れない。幹事が勝手に判断するわけにはいかないのだ。

私たちの学生時代、世の中は荒れに荒れていた。学園封鎖も頻発し、落ち着いて授業を受けるどころではなかった方も多いことだろう。また先鋭化した意見と意見がぶつかり合って「本音」がわかった分だけ、妥協が出来なくなった部分も、しこりとして残っているかも知れない。

しかし、私たちの世代の大半が「アラ還」を過ぎた歳になったのだ。もし、こだわりを引きづっておられても、どこかのリーダーが言っていたように、この辺りで「ノーサイド」にするのも大人の智恵と言えそうだ。

「次回は必ず声をかけよ」とおっしゃる方は、今回の幹事のどちらかに意思表示をしておいていただきたい(連絡先は同窓会本部にお問い合わせを)。

また、いつ、私たちのようなおっちょこちょいが出てきて「同窓会を開こう」と言い出すかも知れない。本部の同窓会に連絡先(差し支えなければ電話番号やメール・アドレスも)を知らせておいていただければ、これが「ああ、同窓会を開く時は声をかけて欲しい、という意思表示かも」と生きてくるはず。皆さん、ご本人の意思で同窓会名簿に登録、人間関係の再発見をしませんか。

【黄昏会幹事】

八木 通夫、熊谷 信哉

卒業以来40数年ぶりにクラスの枠を超えて大集合。皆さん、年齢を重ね、いい顔してますねえ=JR三ノ宮駅西、イタリア料理店・イル・カピターノ・ニシオカで

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